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nagashimahope

ボジョレーヌーボーの厳しいブランディング


こんにちは。株式会社HOPE(ホープ)代表の長嶋です。

11月のこの時期はボジョレーヌーボーの解禁の時期です。

ボジョレーヌーボーは「ワインの産地で有名なブルゴーニュ地方の中のボジョレー地区でできた新酒(ヌーボー)という意味で、

「ボジョレー地区で今年できた新酒」

という意味らしいです。

つまり、ボジョレーヌーボーは一年後には新酒(ヌーボー)ではなくなり、ただの

「ボジョレー地区でできたワイン」

になってしまうということです。

(ボジョレー地区でできたワインが良くないといういう意味ではありません。むしろ逆です。あくまでヌーボーではなくなるということです)

ボジョレーヌーボーはワイン界でも注目されるワインですし、何よりこの時期はボジョレーヌーボーが売れる時期です。というより、この時期を逃すともうほとんど売れません。

なのでボジョレーヌーボー解禁の時は常に話題性を持たせて「飲みたい」と思わせる必要があります。

そこでワイン業界はボジョレーヌーボーに毎年キャッチコピーをつけるということを始めました。

ただここで問題が発生します。毎年飲みたいと思わせるためには常に去年より良い新酒であると思わせなければいけなくなり、キャッチコピーに無理矢理感が出てしまいました。

過去のキャッチコピーは下記になります。

1998

「10年に1度の当たり年」

1999

「品質は昨年より良い」

2000

「出来は上々で申し分の無い仕上がり」

2001

「ここ10年で最高」

2002

「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」

「1995年以来の出来」

2003

「100年に1度の出来、近年にない良い出来」

2004

「香りが強く中々の出来栄え」

2005

「ここ数年で最高」

2006

「昨年同様良い出来栄え」

2007

「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」

2008

「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」

2009

「50年に1度の出来栄え」

2010

「2009年と同等の出来」

「今年は天候が良かった為、昨年並みの仕上がり。爽やかでバランスが良い」

2011

「2009年より果実味に富んだリッチなワイン」

「出来が良く、豊満で絹のように滑らかな味わい」

2012

「ボジョレー史上最悪の不作」

「糖度と酸度のバランスが良く、軽やかでフルーティーな仕上がり」

2013

「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」

2014

「2009年の50年に一度のできを超える味わい」

「エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい」

2015

「今世紀で最高の出来」

2016

「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい 」

2017

「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい 」

個人的には2002年と2012年が好きです。

2002年の「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」は、ドラゴンボールやワンピースなどの少年漫画でありがちな、強い敵を倒したらもっと強い敵が出てきた、みたいなノリになってますね。

2012年の「ボジョレー史上最悪の不作」は逆に飲みたくさせる感じが実にうまいと思います。

2015年で「今世紀で最高の出来」という切り札的キャッチコピーを使ってしまっているので今後のキャッチコピーをどうしていくのか、引き続き期待です。


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